coccon

coast2

おかあさんが、ベビーカーを押していて

もう片方の手で、わたしと手をつないでいた

 

砂浜に海藻みたいなのが、べちゃあって

見渡すかぎり、打ち上げられていて

 

澱んだかんじ

きたなくて、とにかく足がもつれる

匂いも、よい匂いではなかった

 

カメラを構えて

笑顔だった母が、一瞬

「あ」っとなった瞬間

 

波にのまれた、わたし

 

帰りの電車

震えていたのを憶えている

 

 

道路があって 駐車場にクルマを停めて

 

クルマ酔いが激しいので

気持ち悪くなりながら、降りて すぐ

 

そんなにきれいでもない、砂浜

海の家をだすような、ゾーン で、海があって

 

冴えない海

おとうさんの荷物は、簡素

リュックひとつに、バスタオル

 

水際に足を浸けたら、なんかくる 無数に痛い“なにか”

 

おとうさんを呼んで、はいっても

「これは痛い」ってことで

 

地元のひとらしき、ひとに

「すごい、蚊まれるんですが、なんですか?」って、聞いたら

「チンクイだよ、時季外れだからチンクイがいるんだよ」って

 

浅瀬のところを、よく見ると

ちいさいのがびちびちしてて

 

諦めて、砂で遊んだ

 

 

国道135号線に沿って

防波堤が、立っていて

 

いまは、つかわれていない入り江に

階段を下りていく

 

すべり浜

底に海苔が張りついていて、歩くと足をとられるから

砂浜というよりも、磯

 

レスリングの、あれみたいな

白黒のしましまのを着ていて

 

父親に抱えられて、海に放りだされる

もしくは、ぶん投げられる

 

それを繰り返しているうちに

泳げるようになった

 

 

白い砂利みたいな、砂浜

岩場が両サイドにあって

 

沢遊びをしているチームが、あのへんに

浅瀬で遊ぶチームが、あのへん

 

そんなに泳げないのに、わたしは

遠泳チームに、はいってしまった

 

けっこう、とおくに見える

つきだしている岩を、Uターンして戻ってくる

 

戻ってこれるか、わからないから

とにかく緊張した

 

結果、戻ってこれたのだけど

 

 

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