
母が、すごい勢いで
崖を降りて行っちゃって 見えなくなっちゃって
ぼくと兄、それと父が取り残されて
まあ、機嫌が悪くなった父をここにかんじながら
林のなかを、歩いて降りて行った
けっこう、降りていくなかで 隙間から、たまに
右から左へ こういう角度からも
すばやく母が、遠くに 通りすぎるのが見えるのだけど
やがて、ちいさな入江に辿りついて
そこは、真っ白い砂浜
異様に明るい、眩しくて なんて言うんだろう
砂浜に、太陽が反射して 目に飛び込んでくる
兄と、べつに興味もないのに ちいさい貝とか、拾って
「上と下、これとこれが合うかもねー」とか話しながら
自然と合流していた母と
父に「子どもは子どもで遊んでるよー」という
アピールをしながら