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cocoon_log 13 を公開しました

2021年2月15日。

新中野駅から徒歩2分の場所にある雑居ビルの一室で、俳優の皆がストレッチをしている。「かなり独特な稽古場きちゃったけど、皆だいじょうぶ?」。壁の幾何学模様を眺めながら藤田君が言うと、笑い声が漏れる。

「今日と明日と、一日あいだを空けて、もう二日間と、2月は作業をしていきたいと思っています。えっと――来月に、撮影をしようと思ってます。『cocoon』の特設サイトがあるんだけど、去年の6月に郁子さんの『とぅまでぃ』って歌の歌詞と、フィールドレコーディングした音源と、今日さんの絵をアップしたところでサイトの更新が止まってるから、今年の3月にもう一回大きな更新をしたいと考えています」

藤田君が考えている「撮影」というのは、昨年12月までかけてじっくり立ち上げてきた、皆が初めての海の記憶を説明する様子を撮影する、というものらしかった。

「3月に更新するページには、皆が初めての海の記憶を語る様子を撮影した動画があって、その下に僕が皆と作ったテキストがあって、そこに音がついている。それと、3月の撮影には、今日さんにも立ち会ってもらおうと思ってるんですね。そこで今日さんに皆のモーションを見てもらって、それを一枚一枚のカットにしていく作業をしてもらって、そのカットも3月にウェブサイトにアップしていきたいな、と。それで――あそこにいるのが、実子です」

藤田君から紹介された召田実子さんが、小さな声で「よろしくお願いします」と挨拶する。実子さんは俳優として藤田君の作品に出演しつつ、『cocoon』をはじめとして多くの作品で映像を手がけてきた。

「3月にアップする映像も、実子に撮ってもらいます。ただ、カメラを前に演じるとかは――ちょっと3月の時点ではまだ、演じるってところまで行きたくないなと思ってるんですね。12月にさ、ここに海があると想定しながら、その海の説明をしてくれたじゃん。それを動画で撮りたいんだけど、今の段階では、その動画に音声が乗らないようにしようかなと思っていて」

「実際にはしゃべってるけど、音声はカットする?」実子さんが尋ねる。

「いや、ちょっとまだ、それも迷ってる」と藤田君。「そのあたりは郁子さんと話しながら決めていきたいと思ってるんだけど。あのサイトの役割って、出来上がった演目をアップしていくことではなくて、『こういう作業をしています』って断片をあげていくことだと思うんですね。ウェブサイトに上がってる何かが、上演を観てくれた人の中でつながったり、『こういう作業があったからあのシーンができたのかな?』ってつながっていくことが大切だと思うから、いきなりカメラに向かって演技を始めるんじゃなくて、皆の動きがあって、僕が書いたテキストがあって、郁子さんの作ってくれる音があって、今日さんが描いてくれたカットがある。3月にそういう更新ができるように、作業をしていけたらと思ってます」

©mum&gypsy cocoon